1.広葉樹資源の現況
 本県民有林における広葉樹林は、面積約122千haと県土の約1/4、民有林の約35%を占めている。
資源蓄積は約14,628千m3と推計され民有林資源の1/5を有している。
樹種別構成では、カシ類が全体の約1/4を占め、シイが約19%、コナラが約12%、サクラ類が7%
と続き、カシ・シイで全体の約43%と、照葉樹林と称される常緑広葉樹林が本県広葉樹林の主体と
なっている。
 地域的には、県南部を中心にして常緑広葉樹が広がり、すさみ・串本両町などの沿岸部では、県
木ウバメガシの純林が見られ、独特の景観を構成し、自然公園区域に指定されている。県北部では、
コナラ等の広葉樹林が主となり、マツ・カシ類等との混交林も広く分布する。
標高1,000m付近から上部では、ブナ・ミズナラが優占する落葉樹林が見られ県下最高峰の護摩壇
山周辺や数ケ所の国有林では、原生状態に近いブナ・ミナズラ林が数10ha以上の規模で残存してお
り、それぞれ自然公園区域、学術参考保護林として保全が図られている。