5.原木林の概要
(ウパメガシ)
ウバメガシ林は、大半が由良町から新宮市にいたる海岸部(海岸線から概ね5km以内の区域)に分布
する.
日ノ岬沿岸部、日置川町からすさみ町までの枯木灘沿岸部、潮岬・大島の沿岸部には、ウバメガシの純
林が見られ、それぞれ自然公園に指定されている。
平成2年ウバメガシ賦存量は、蓄積約683千m3、面積約6,000haと推計される。
材は、備長炭材料として用いられ、年間15千m3が生産され、15,000〜20,000円/tで取引きされてい
る。
(コナラ、クヌギ)
紀中、紀北の低山・里山地帯を中心に分布し、マツとの混交林も広く見られる。
県内総賦存量は、蓄積約1・955千m3、面積約16,000haと推計される。
シイタケ原木としての需要量は、年間12千m3であり、内約6割が県外から移入されている。
取引価格は、径10〜15p長さ100pもので平均230円/本(1m3当たり23,000円)である。
表−1備長炭原木林・シイタケ原木林地域別賦存量
単位:千m3、%
流域名 | 広葉樹総数 | 内原木適用樹 |
ウバメガシ | 割合 | クヌギ | 割合 | コナラ | 割合 |
紀ノ川 | 2,407 | 43 | 1.8 | 158 | 6.6 | 724 | 30.1 |
有田川 | 1,127 | 67 | 5.9 | 13 | 1.2 | 213 | 18.9 |
日高川 | 3,169 | 167 | 5.3 | 22 | 0.7 | 356 | 11.2 |
富田川 | 736 | 54 | 7.3 | 1 | 0.1 | 76 | 10.3 |
日置川 | 1,359 | 51 | 3.8 | 3 | 0.2 | 40 | 2.9 |
古座川 | 2,275 | 168 | 7.4 | - | - | 52 | 2.3 |
熊野川 | 1,605 | 42 | 2.6 | 0 | - | 37 | 2.3 |
計 | 12,678 | 592 | 4.7 | 197 | 1.6 | 1,498 | 11.8 |
(昭和60年推計値)
これらウバメガシのうち、備長炭原木に適しているのは径4〜16pのものであり、ウバメガシ全体の
98%、578千m3となっている。
また、シイタケ原木適材はクヌギ・コナラの径10〜16pのものであり、全体の40%(791千m3)とな
っている。