びんちょうタンの製作会社「アルケミスト」で営業活動をされていたN氏が、初めて南部川村(現在のみなべ町)を訪れたのは、平成15年9月のことでした。
N氏は私ども「みなべ川森林組合」のホームページを見て、長い歴史と伝統を持つ「和歌山県南部川村」で備長炭の生産に携わる関係者に出会い、誕生したばかりの「びんちょうタン」を紹介し、正しく理解していただくため、遠路はるばる東京から来られたのでした。
私は最初、N氏から「びんちょうタン」を見せられた時は、正直驚きました。
どうしてこんなに“かわいい女の子”が備長炭キャラクターなのか、どうしても接点が見つかりませんでしたが、唯一接点があるとすれば、頭の上に乗せられた一本の備長炭のみでした。
ところがその後、私の心を動かしたのはN氏が語ってくれた原作者:江草天仁先生が抱く「びんちょうタン」の世界観でした。
日本の美しい自然を背景に、ウバメガシから贈られる備長炭と、個性派揃いの友達に支えられ健気にがんばる女の子。それが「びんちょうタン」なのだと。
「びんちょうタン」の特徴は日本人だからこそ惹かれる和の魅力であり、和歌山の自然豊かな里山で備長炭の振興に努める私たちも、この魅力を最大限に引き立てるために地元をあげて協力してあげようと決心しました。
それが備長炭に携わる私達の義務であり、備長炭の将来にも必ずプラスになると信じた上での決断でした。
時間が経つに従い二人の間には、それまでと違った仲間意識が芽生え始めました。
「びんちょうタン」が本物の備長炭や自然の素晴らしさを多くの人々に正しく伝えてくれるなら、私たちは全面的にあなた方を応援しましょう。
N氏は当然のように笑顔で私からの願いを聞き入れてくれました。
私はN氏との約束を忘れることなく、これからどんなことがあっても「びんちょうタン」を信じ、応援していくことを心に誓いました。
がんばれ「びんちょうタン」 |